悪質な遺品整理に注意
悪質な遺品整理業者や片付け業者の被害が多発しています! |
昨今、少子高齢化が進む中で、この遺品整理を生業とする業者も増え、
遺品整理専門業の他にも、片付け業・便利屋業の業務のひとつとして
遺品整理をおこなっている業者さんも多くなってきています。
しかしながら、遺品整理の仕事はお客様の目の届かない部分も多く、
見えないところで、お客様の信頼を裏切る行為をおこなう業者も後を絶たず、
中には法令に違反している業者も多くなってきています。
ここでは、実際に私が見聞きした、実話に基づいた悪徳遺品整理業者の話を
公開したいと思います。
後を絶たない不法投棄業者と、依頼者にも罰則 |
遺品整理業にかかわらず、回収した不用品を人目のつかない場所へ
不法に投棄をおこなう業者は少なくなく、
実際に整理を依頼した遺品の行き先が、不法投棄の現場であったという話を
提携している業者さんから、お聞きするときがあります。
特に、不法投棄をおこなっている悪質な業者の中には、
不法投棄が見つかり、逮捕などの処分を受けても、
ほとぼりが冷めた頃に、別な社名で同じ仕事をはじめ、
何事も無かったかのように、また不法投棄を繰り返すという業者も
いるという実態があります。
しかも、この不法投棄ですが、不法投棄をおこなった業者への罰則だけではなく
依頼をおこなったお客様も罪に問われることがあり、
5年以下の懲役若しくは1000万円の罰金が科せられる場合があります。
これは、依頼した業者が無許可や不法投棄をおこなったことを知らない場合でも適用され、
廃棄物の処理を委託する場合は、依頼する側にも調査をおこなうことが義務付けられています。
(飲酒運転のように、飲ませたほうにも責任があると判断されるのと似ています)
実際に遺品整理を依頼した際、回収された遺品がどのように処理されるかまでは、
お客様側では把握することができないため、
故人の想い出の詰まった遺品が、不法投棄されないためにも、
遺品整理業者が、どのような流れで回収し処分までをおこなうかを
最低でも確認する必要があります。
お焚き上げ供養を依頼したはずが・・・ |
実は、市や消防に「お焚き上げ供養」の施設として
正規の届出をしているお焚き上げ業者は少なく、
施設を持たない遺品整理業者にとっては、
信頼できる正規のお焚き上げ業者と提携することは、
本当の意味で供養をおこなうためにも、絶対に必要なことです。
しかしながら、遺品整理業者や片付け業者の中には
「お焚き上げ供養もおこないます」という看板を掲げながら、
実際には、供養も何もおこなわずに処分している悪質な業者も
少なくありません。
お焚き上げ業者さんから聞いた話なのですが、
あるお客様から電話で問い合わせがあり、
「〇〇〇〇という遺品整理屋さんにお焚き上げ供養を頼んだら、
そちらに持ち込んで供養すると言われたのですが、
もう供養は終わりましたでしょうか?」と言われ、
早速、持ち込まれた遺品の名簿を確認したところ、
どこを探しても、このお客様の名前が無い。
しかも、〇〇〇〇という業者の名前も分からないため、
お客様に「残念ですが・・・お客様の遺品はお預かりしていないのですが・・・」
と伝えたところ、非常にお客様は悔しそうに
「嘘をつかれたことより、あの業者に遺品をどう適当に処分されたのか・・・」と
仰られたそうです・・・
このお客様は亡くなられた奥様の遺品をお焚き上げ供養しようとしたらしく、
故人との想い出の品である遺品を、このように粗末に扱う業者は言語道断ですが、
実際のところ、本当に供養がされたのか確認することができず、
お客様の目が届かないことも事実です。
大切な遺品まで処分されたケース |
一般的な片付け・処分業者と遺品整理業者の大きな違いは、
不用品を捨てることを目的とするか、
整理をしながら、遺品を発見していくことを目的とするかで異なってくると思います。
私たちに遺品整理をご依頼いただいたお客様から聞いた話なのですが、
親戚の方が、亡くなった祖父の遺品整理のために、
色々な業者の見積もりから、一番値段が安い、
片付け業者に家の中の物の処分を依頼したそうです。
依頼したお客様も、何があるか分からないので、業者に一任するということで、
遺品整理をお願いしたらしいのですが、その業者は捨てることを前提とした業者で、
「めぼしい遺品は特に残っていなかった」と言って、家の中の物すべてを持ち去ったそうです。
しかし、後日、祖父の近しい友人の方から、生前の話を聞いてみると、
思い出の写真がたくさん入ったアルバムがあったり、
何かのときのためにと、現金をヘソクリとして隠してあった・・・
などと、話の限りでは、「遺品が何も無い」とは思えない状況だったそうで、
その後、クレームを入れたそうですが
「一任しておいて、文句を言うな!」と一喝され、
遺品としてあったかもしれない物が戻ってくることはなかったとのことです。
確かに、我々でも見つけられない遺品はあると思いますが、
明らかにちょっと見れば分かるような思い出の品も
「ゴミ」として持ち去ってしまう業者がいて、
そんな業者も「遺品整理業」として名乗っているということも実状です。
そして、中には「遺品は無かった」と偽って、金品を持ち去さられ、
後日トラブルになるケースもあります。
遺品整理を検討される際は、価格の安いだけではなく、
本当にその業者が、遺品整理の仕事の一つとして、
遺品という宝物を見つけることを念頭において仕事をしているかということを、
しっかりと確認する必要があります。
悪質な業者の被害に合わないために |
正直に申し上げますと、どんな業界でもそうですが、
100%悪質な業者を見分けたり、防いだりする方法はありません。
しかしながら、遺品整理という仕事に責任を持って臨んでいる会社は、
信頼に必要な目に見えるものを、必ず保有しているものです。
・会社の所在地や連絡先がしっかりしている
・届出を出した個人事業主や会社であること
・遺品整理士資格や古物商などの各種免許の所有 → 遺品整理士資格について
・きちんとしたチラシやパンフレット、ホームページを持っている
・料金や見積もりが明確
・契約書が各種、用意されている
・会社名義の銀行口座を保有している
資格や免許を持ち、本業として営業をしているということは、
それだけ、仕事に責任を持っているということに繋がり、
チラシやホームページ、契約書を作りこむということは、
それだけお客様との信頼関係を築き上げたいという表れだと思います。
ただ、残念なことに、上記を満たしていても、悪質な不法投棄や
不当な料金の水増し、詐欺行為を働いている業者も少なくないのが実情ではありますが、
一番の手段としては、電話や出張見積もりで、お値段だけではなく、
納得のいくまでコミュニケーションを図っていただくことが一番かと思います。
また、私自身も、そういったお客様とのコミュニケーションを大切にしたいと思う一人です。
遺品整理社
代表 大沢孝弘